Kz ST Trad 22
Kz Guitar Worksはこれまで、オリジナリティ溢れるギターを多く世に送り出してきました。2001年の創業からこれまでに得られた経験と知識の蓄積は、より良い楽器を生み出す確かな糧となっています。
2021年、20周年という節目にエレキギターの「伝統」を見つめ直すことで我々が培ってきた技術と知識をより多くのプレイヤーに届けるべくリリースしました。
※当記事はKz ST Trad 22発売時の量産モデル紹介記事となります。現在は量産モデルは終了となり、現在はカスタムオーダーを受け付けています。オーダーのご参考としてご活用ください。
※3rdロットでは「Kz ST Trad 3S11 RS」として、レッド・スペシャルの要素を取り入れたモデルをリリースしました。詳細はこちら >
(マホガニー・ナチュラル)
(ブラック)
【デモ演奏動画】
【解説動画】
【Overview】
Kz Guitar Worksでは、Kz Oneをはじめ、オリジナリティ溢れるギターをラインナップしてきました。2021年12月の新作Kz ST Trad 22 SSH7は、一般のギタリストにも馴染みが深いSTスタイルのボディが大きな特徴です。他に、ピックアップの選択/配置、シンクロ・トレモロ搭載などもトラディショナルな要素です。
しかし、ボディ材/ネック材には“ホンジュラス・マホガニー”を使用。ネック・ジョイントは“RSジョイント”という独創的な方式を採用した 革新的なギターとなっています。
また、ホンジュラス・マホガニーを使った逗子の工房製も魅力です。
(マホガニー・ナチュラル)
(ブラック)
■カスタムライン用にストックしてきたホンジュラス・マホガニー材を使用
マホガニー材はギターのボディ/ネックの多くに採用されている木材です。ホンジュラス・マホガニーは、現代では一般的なアフリカン・マホガニーとは音の性質が異なるため、単純に音の良し悪しの比較はできません。しかし、ホンジュラス・マホガニーは、弊社カスタムライン、ヴィンテージ・ギターなどに採用されていたように、豊かな共鳴があるのは間違いありません。ただし、希少で、高額なため、弊社ではカスタムモデルに優先して採用してきました。今回はカスタムモデル用にストックしていたホンジュラス・マホガニーを使用しました。
ボディはホンジュラス・マホガニーを3ピースで使用しました。接着部分を避けてセンター・ピースにネック・ジョイント、ブリッジ・アンカー、ピックアップなどの主要部分を配置。これにより弦振動の伝達を損なわず、安定性も確保するという思想に基づいた設計です。
■Red Specialを継承し、発展させた新開発ジョイント RSジョイント
Kz Guitar WorksというとRed Specialを思い出す人も多いでしょう。Red Specialはネック・ジョイントも独特です。少年時代のブライアンはネックのジョイント部をボディの深い位置まで延ばし、ボディのバック側から一本のボルト、トップ側から二つのビスでネックをジョイントしています。Kz ST Trad 22では、トップとバック両面から固定する方法を踏襲。その上で、最適な長さ・深さを考慮し、ネックとボディの素材としての鳴りを最大限に発揮するジョイント方法として発展させました。
さらに、ボディバック側はハイ・ポジションの演奏性を高めるために、曲面をモチーフにしたヒール・カットを施しています。
設計だけでなく、弊社の逗子工房での正確な作業と鳴りを重視した技術力も見逃せません。
RSジョイントとは?
【特徴】
・接着剤を介さずネックとボディが直接密着するボルトオンの発展形
・ネックとボディの接合部が一般的なボルトオン・ジョイントの2倍以上の長さ
・ボディのバックとトップの両方向から圧着する3点止め
・Kz Guitar Worksによる高い工作精度
▲ボディのバック側から1本のボルトでネックをジョイント
▲トップ側からは2本のビスでジョイント。ネックはミドル側P.U.の手前まで入りこんでいます。
■極薄トップラッカー仕上げのボディとネック(※量産時のスペックです)
ボディ/ネックともに極薄トップラッカーで仕上げました。木材の特性を最大限引き出します。
■ピックアップはBare Knuckle Boot Camp Series ” True Grit ” SSHセット(※量産時のスペックです)
ピックアップはシングル/シングル/ハムバッキングのSSH配列です。
◆Bare Knuckle Boot Camp Series ” True Grit ” SSH
ピックアップはBare Knuckle Boot Camp Series ” True Grit ” SSHセットを搭載。太くてリッチでクリーンなトーンとパンチの効いたドライブトーンを生み出します。(アルニコ5マグネット)
◆コントロール
1ボリューム/1トーン。P.U.セレクターは5ウェイで、トーン・ノブをプルでリアハムをコイルタップできるため、7種類の音色を生み出します。
■シンクロ・トレモロを搭載
ブリッジは2点支持のシンクロ・トレモロGOTOH製510T-SF1を搭載。サドルは10.8mmピッチです。
■25インチ・スケールとスリム“C”グリップ
スケールはKz Oneと同様の25インチ(635mm)スケール。グリップも好評のスリム“C”です。指板とフレット・エッジの処理と併せて、極上の演奏体験をもたらします。
▲25インチ(635mmスケール)
▲Bolt-On Slim Mediumのネックグリップ
▲フレットはJescar FW55090。極上の演奏体験をもたらすフレット・エッジと指板エッジの加工。
■新形状のヘッドストック
今回、片側6連のヘッドストックを新しいシェイプを採用。ブランド・デカールを使わず、先端にKz ロゴメダルを使用するなど新鮮な印象となっています。チューナーにはGOTOH製SG381-07-CR L6 MG-T(マグナムロック)を使用しています。
Kz ST Trad 22 SSH7 ブラック(※量産時のカラー展開です)
※写真は全てプロトタイプのため、製品とは異なる場合がございます。ご了承ください。
《スペック ※量産モデルの場合》
ボディ材:ホンジュラス・マホガニー3P
ネック木材:ホンジュラス・マホガニー1P
指版材:インドローズ、305mmR(12”R)
スケール:635mm(25”)
ネックグリップ:ボルトオン スリム“C”
フレット数:22F
フレット:Jescar FW55090(幅2.3 × 高さ1.4)
ペグ : SG381-07-CR L6 MG-T(マグナムロック)
ブリッジ: 510T-SF1(10.8mm)
ピックアップ:Bare Knuckle Boot Camp Series “TrueGrit” SSH
コントロール:SSH7(Vol. x 1, Tone x 1, 5way Lever SW, Coil Tap)
カラー:マホガニー・ナチュラル(ピックガード:ブラック)/ ブラック(ピックガード:茶鼈甲)
仕上げ:極薄ラッカートップ吹きっぱなし(Trad仕上げ)
付属品:トレモロアーム、調整工具、セミ・ハードケース
※本記事は2021年12月時点の情報です。